【自動車業界】中規模企業 社内ネットワーク・サーバー構築事例

自動車関連サービス企業 様
現場での実践的な開発支援を通じた自社エンジニアの技術力向上とナレッジ蓄積
業界 自動車・保険関連
規模 従業員70名(リモートワーク率80%)
地域 東京都渋谷区本社、全国3支店展開
導入前の課題
システム導入による改善
- (段階的移行により業務継続性を確保)
導入背景
この自動車関連サービス企業様では、親会社グループからの独立に向けた準備を進める中で、IT環境の独立が重要な課題として浮上していました。従業員70名のうち8割がリモートワークという働き方を継続しながら、完全な独立を実現する必要がありました。
主な課題は3つのカテゴリに分かれていました。まず技術的な課題として、親会社のインフラへの依存度が高く、独自のシステム運用の自由度が制限されているという状況がありました。経営的な課題では、過剰な機能を避けて70名規模に最適化されたコスト効率の良いIT環境が求められました。組織的な課題としては、リモートワークを中心とした働き方に適したアクセス基盤の構築が必要でした。
現場からは「独立後も業務を継続しながら、段階的に移行できるシステムが必要」というお声が上がっており、既存のGoogle WorkspaceやSalesforce等のSaaSサービスを最大限活用した効率的なアプローチが求められました。
TechTimeのアプローチ
弊社では、企業の独立プロジェクトに特化した実績を活かし、以下の4つの方針でプロジェクトを推進いたしました。
01
段階的移行の重視
業務継続性を最優先に、既存SaaSサービスを継続利用しながら段階的にクラウド環境へ移行
02
コスト最適化
70名規模に適した必要十分なセキュリティと機能を提供し、過剰投資を回避
03
クラウドファーストの採用
AWS/GCPベースのフルクラウド構成により、運用負荷を最小化
04
リモートワーク対応
インターネット完結型のネットワーク構成で、全拠点・リモートワーカーに統一したアクセス環境を提供
技術選択においては、お客様の「親会社システムからの円滑な切り離し」という要件を重視し、既存のOktaによるID管理基盤を活用したシングルサインオン環境の構築を提案いたしました。
実装したソリューション
ネットワーク構成
フルクラウド・インターネット完結型の構成を採用し、専用線を使用せずに全拠点をインターネット回線で統一しています。クラウドプロキシを経由した業務システムアクセスにより、セキュリティを確保しながら運用をシンプル化。最小限のVPNで拠点間接続を実現し、管理負荷を大幅に軽減する設計としています。
サーバー環境
既存SaaSサービス(Google Workspace、Salesforce、kintone、Box等)の継続利用を前提とし、親会社提供システムを段階的にAWS/GCPへ移行する基盤を構築しています。新規追加システムはクラウドネイティブ構成を採用することで、将来の拡張性を確保。データ管理については、親会社のファイルサーバーからクラウドストレージへの移行基盤を整備しています。
セキュリティ対策
クラウド基盤向け標準セキュリティ型を採用し、Oktaによる多要素認証とクラウドプロキシによる基本的なセキュリティを確保しています。MDM(モバイルデバイス管理)による端末管理と、主要エンドポイント向けのウイルス対策を導入。日中監視体制と外部セキュリティベンダーとの連携により、必要十分なセキュリティレベルを実現しています。
プロジェクトで重視したポイント
業務継続性の確保
独立プロジェクトにおいて最も重要な要素として、既存業務への影響を最小限に抑える段階的移行アプローチを採用しました。
将来の拡張性
70名規模から成長した際にも対応できるクラウドベースの柔軟なインフラ設計を重視しました。
運用負荷の最適化
限られたIT人材で運用可能なシンプルな構成とし、複雑な管理業務を削減しました。
コストパフォーマンス
初期投資を抑えながら、必要十分な機能を提供するバランスの取れた設計を心がけました。
システム導入による改善
段階的な移行計画により、完全独立に向けた基盤の構築を図りました。フルクラウド構成の採用で、従来のオンプレミス環境と比較して運用工数の軽減が可能になります。
インターネット完結型のネットワーク構成は、リモートワーク環境での業務効率向上に寄与しています。既存SaaSサービスとの連携を保ちながら、独自のセキュリティポリシーに基づく運用体制の構築基盤を整備いたしました。
クラウドプロキシとMDMによる統合的なセキュリティ管理では、分散したワークスタイルにおいても一定のセキュリティレベルを維持することが可能です。
プロジェクトから得た知見
親会社からの独立プロジェクトの特徴
既存システムへの依存を段階的に解消しながら、業務継続性を保つことの重要性を再認識いたします。
リモートワーク中心の組織のIT要件
物理的な拠点に依存しないクラウドファーストの設計が、現代の働き方に最も適していることを確認できています。
中規模企業のIT最適化
過度に高機能なシステムではなく、組織規模に適した必要十分な機能の選択が、長期的なコスト効率と運用性につながることを実感しています。
段階的移行の有効性
一括での環境切り替えではなく、段階的なアプローチによりリスクを最小化しながら確実な移行を実現できることを確認しています。

TechTimeは、時代の変化を見据え、企業と人々の有限な時間を最大限に価値あるものへ変える「 Time × Tech 」のITパートナーです。ITインフラ構築からアプリケーション開発、保守運用、AI活用、セキュリティ対策まで包括的にサポート。地域企業の独自の強みを最新技術で増幅し、地理的制約を超えたビジネス展開を実現します。